初心者精神分析勉強会(2020年度)第6回を開催しました!

第6回目は、フェルマータメンタルクリニック院長の細澤仁先生に助言者としてお越しいただき
前半は
『(現代精神分析基礎講座 第4巻 精神分析学派の紹介2』 (2019、古賀靖彦編著、金剛出版)の第5章「関係精神分析」を講読しました。

関係精神分析は、クライエントとセラピストとの二者関係によって生じることに重点が置かれます。
そのため、自己開示をしたり、質問をすることで二者関係に交流を引き起こします。

古典的精神分析と何が違うのか
ということを検討し
欧米の思想の違い、文化の違いに依拠するものがある
という意見がだされました。

米国では、社会適応や社会正義といったことが「善」とされる文化があり
欧国では、何を「善」とするかは個人によって異なるという文化があるのではないかという話になりました。

関係精神分析の自己開示は
なんでも自己開示すればいいということではなく
「自己開示することが有効だと感じたら」するという考えなのですが
「有効かどうかは誰が判断するのか」という議論になれば
それは「セラピストが判断する」ことになり
そのセラピストの判断は社会的価値に依拠することが多いのではないかということです。

関係精神分析では
クライエントとセラピストの二者関係を構築していくことにより
クライエントは「良くなっていく」とされていますが
そうしたことも「社会と結びついていくことが善である」という価値観が根底にあるのではないかという話になりました。

最終的には
「死」を求めるクライエントがいた場合
それをどのように扱うのか、という話になり
結論はでないものの
どういった人間像に信念を持つかが重要だということになりました。

後半の事例検討では
カウチを使った週1のケースをご提示いただきました。

細澤先生から
クライエントが語ったことそのものよりも
セラピストが起こした失錯行為や
セラピストが感じた逆転移に焦点をあて
失錯行為や逆転移の意味を内省することが大切で
そこから生み出されたことを解釈として伝えることを教えていただきました。

例えばクライエントが重要な話をしているにも関わらず
セラピストが退屈さを感じていた場合に
なぜ退屈しているのかを内省し
クライエントが情緒的なつながりを求めていない事を感じた場合に
そのことについてとりあげるということです。

なぜ情緒的つながりを求めていないのかの理解ができていなくとも
そうした状況があるということを共有し
そこからクライエントが何を連想するか
セラピストが何を体験するかが重要なのです。

セラピストが「心を使う仕事」というのは
正にこういったことなのでしょう。

次回は
2月7日「子どもの精神分析 その歴史」
です。
単回参加も可能です。
詳細やお申し込みはこちらから。

細澤先生のグループスーパービジョンは
毎月第4土曜日19時30分~21時30分
高槻オフィスにて1回3000円で受けることができます。
お申し込みはメール(hutaba.kokoro@kokoro-you.com)にお願いします。

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