精神分析的心理療法フォーラムが京都で行われ、それも気になりつつ、第2回目を実施しました。
まずは前半の講読会。
第2講 精神分析小史
を発表者がまとめたものを発表し、各々が意見や感想を言い合いました。
フロイト以前と以後で内容がまとめられており
以後は、各学派について簡潔にまとめられていました。
そのため前回同様、各学派の違いが話題の中心となりました。
理論的な違いが臨床実践にどのような違いとなって表れてくるのかを事例を通して説明しました。
すると、参加者から「こういった事例をこのように理解しているが、それはどの理論になるのか」
といった質問があったため、それについての説明や、解釈がどのように異なるのか、
事例への理解や見立てがどのように異なるのかを説明しました。
理論について深めていくと、「理論の背景には、理論をつくった人物の人生史が影響している」
という話になっていきました。
例えば、フロイトは第一次世界大戦やナチスドイツの経験を経て、「死の欲動」を提唱しています。
第一次世界大戦やナチスドイツがなければ、フロイトの理論はどうなっていたのだろうと。
そのため、今後は各人物の人生史や時代背景も学んで行きたいということになりました。
後半の事例検討では、リワークプログラムを実施しながら並行して行われる
カウンセリングのケースでした。
カウンセリングの目標も「仕事復帰」と明確で、定期的な面談と必要に応じて
オンデマンドに実施する面談とを組み合わせて行われていました。
転移関係が色濃く現れていく中で、セラピストの退職が決まり、
過去の喪失体験と合わせてモーニングワークをどうしていくかが大きなテーマとなっていました。
クライエントの激しい感情が表出、投影され、セラピストの感情も大きく揺れ動き、
苦しい状況が繰り返し起こりながらも、なんとか乗り越え、最後はクライエントが
一定のワークができたのではないかという終わりでした。
事例の中でセラピストが感じたことから
何が投影されていたのか、どのような転移が起こっていたのかを分析したり
事例の全体の流れでは何が起こっていたのかを確認したりしました。
こうした構造化されていない事例を分析的に見ていくことも、重要ですね。
次回は2019年8月4日です。
参加者募集中です。