私の取扱説明書

「私の取扱説明書」という言葉を聞いたことがある方はどれくらいおられるでしょうか?
結婚式の余興などで、新婦友人から「新婦の取扱説明書」として、新婦の好きなものや嫌いなもの、新婦がしんどくなることやそうした時の対処法などを新郎に伝えるということが披露されたりします。
そこから派生したのかはわかりませんが、歌手の西野カナさんが2015年に「トリセツ」という歌を発表し、大ヒットしました。
この歌の歌詞では、女性がパートナーに向けて、不機嫌になった時の対応方法、喜ぶことや嬉しいこと、自身の性格などについて説明をしています。

そもそも「取扱説明書」とは、多くの辞書によると「機器や道具をどのようにして扱えばよいのかを説明している冊子などの物。取説。マニュアル」とあります。
基本的には、家電製品や家具、電子機器など物に対して使われることの多い言葉です。

ところが、近年では、「人」の取扱説明書、という考え方が注目を集めるようになってきました。
その背景について考えてみます。

そもそも「取扱説明書」を読むときは、どのような時でしょうか。
 初めて商品を買った時
 どのように操作したり扱っていいかわからなくなった時
 大切に扱いたい時
 誤作動を起こしたり、不具合が生じた時
などでしょうか。
つまり、そのモノに対する知識や扱う技術が不足していたり、そのせいで対応できないと感じたときに読むように思われます。

人と人が関わる時にも、相手の性質、特徴、性格、好みなど、相手に対しての知識と、それに対応する技術が不足していると、喧嘩になったり、腹を立てたり、困惑したりするでしょう。
そして、お互いに対する対処方法がわからないと、さらに関係がこじれ、ともに疲弊してしまいます。
そんな時、その人の取扱説明書があったらどうでしょうか。

 大きな声を聴くと委縮してしまう
 人前での発表は緊張して話せなくなる
 優先順位が決められず混乱する
 単純作業を継続することに苦痛は感じない
 指示の後に復唱して確認できると安心する
 事前に書いたものを見ながら話すと話しやすい

など、相手についての具体的な説明があると、どのような仕事が向いているのか、どのような接し方をするとスムーズにいくのかといったことを理解でき、安心して関わることができるでしょう。

こうした説明に関して
「本人に直接聞けばいい」
「必要な時に話してくれたらいい」
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、人は案外、自分のことはよくわかっていないものです。
また、自分のことを説明したいと思っていても、どのように表現したらいいのかわからなかったり、何をどこまで伝えればいいかがわからなかったりもします。
一生懸命説明しようとすればするほど「わかりにくい」と思われてしまうこともあります。

そこで「私の取扱説明書」が重要なツールとなってきます。
「私の取扱説明書」は、決まった書式があるものではありません。
その人の特徴、性格、好みなど幅広く書いたり、仕事に関連したものに特化させたりと、その人が「誰に対して」取扱説明書を渡したいかによって、自由に作成することができます。
誰か他者に渡す目的だけでなく、自分で自分の取扱いを確認するために作成される方もいます。

当研究所で作成する場合には「誰に対して」「どのような目的で」作成するのかを丁寧に確認させていただき、そのうえで、その方の伝えたいこと、知っておいてほしいことを一緒に確認していきます。
「なんとなくうまくいかない」「なぜか怒られてしまう」など要因が不明な場合や、対処方法が思いつかない場合にも、一緒に検討させていただき、取扱説明書に書けるようにします。

1回50分 6000円(税別)のカウンセリング時間を複数回使って作成します。
かかる回数は人によって異なりますが、2~4回程度を目安としてください。

一人一人が自分の取扱説明書を持っていて、初めて出会う人に渡したり、作業がうまくできなかったとき、対人関係がスムーズにいかなかったときなどに見直してもらうことで、不具合が起こっている箇所に気づくことができます。

プライベートな付き合いであれば、お互いのことを知っていくための時間を十分にとることができますし、知っていく中で「関わらない」という選択をすることもできます。
しかし、仕事で人間関係は、就業時間という限られた時間の中で、仕事というタスクを行いながら、お互いのことを知っていかなければなりません。
そして「合う」「合わない」「好き」「嫌い」などの判断で関わらないということも難しい状況となります。
そのため「私の取扱説明書」というツールを取り入れ、互いのことを合理的に知っていくのも良いのではないかと思います。

「私の取扱い説明書」を作成するにあたり、ご希望に応じて心理テストを実施し、その結果を組み込むこともできます。
仕上がった「私の取扱説明書」をどのように扱うかもご相談いただけます。

ご関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。
「カウンセリング」をご選択いただき、ご相談内容のところに「私の取扱説明書」とご記入下さい。


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