2019年9月8日、『現場で生きる心理検査を学ぼう』の最終回となる、
『事例スーパーヴィジョン(特別講師)』を開催しました。
本来、スーパーヴィジョンは1対1で行われますが、
今回は公開スーパーヴィジョンという形で、
その1対1のやりとりを面前で見られるという、他ではなかなかない企画でした。
スーパーヴァイザーは京阪病院の岸本先生にお願いし、
午前はWISC-Ⅳの事例を、午後はMMPIとバウムテストを中心とした事例について、
当研究所のスタッフがスーパーヴィジョンを受ける形を取りました。
午前はWISC-Ⅳ。
岸本先生からは、例えば言語性の下位検査であれば
その答え方のやり取りにクライエントの対人関係のあり方を見るなど、
数値だけでなく、検査結果を取り巻く検査者との“生きたやり取り”を
キャッチしていく過程が圧巻でした。
検査自体はもちろんのこと、
例えば終わった後の検査者が受ける感覚、声掛けの仕方、
心理検査が単なる道具ではなく、良い体験として
終えることができるような視点など、
非常に細やかな所作を見せていただきました。
午後はMMPIとバウムテストを中心とした事例でした。
病態水準や発達段階、家族や人間関係など、
常に「こういう状態なら、こうなるはず。そうではないとすればなぜ?」
といった、「予測と検証」が張り巡らせることが、
いかに検査結果の理解につながるかをお伝えいただきました。
質問紙法や投影法でも、クライエントのストーリーを
根拠をもってつなげていくという姿勢によって、
立体的に描かれていくのが目に見えた気がします。
そして、スーパーヴィジョンならではの
ヴァイザーとヴァイジーのやりとりそのものが、
心理検査の中に無数の発見をもたらしていくのだと感じました。
岸本先生、本当にありがとうございました。
今回、ご参加いただけなかった皆様、ぜひ次回のシリーズにご参加ください。
そして、普段なかなか気づくことができない心理検査の魅力を
感じていただけたらと思います。
次のシリーズ、申込みを開始しました!