第6回目の開催となった今日は、第6講「夢と希望」を講読しました。
なお、本日は、フェルマータ・メンタルクリニック院長の細澤仁先生を講師にお招きしました。
フロイトの「夢解釈」に始まる精神分析における夢の理解が、精神分析の創成期にはどのようになされていたのか、
症例の中で夢を出てきた時にどのように理解し、解釈を伝えることができるのか、
夢における象徴過程と非象徴過程の理解の仕方など、についてまとめられています。
ディスカッションでは、まず夢を取り扱う際に、扱うことのできる治療設定があるのかどうか、
自由連想の中で夢を要素分析することの意義や、要素分析をすることでかえってとりあげられらない要素も
出てくるのではないかということ、治療者が夢を正確に解釈することが重要なのか、それともその解釈を
通して患者の自由連想を刺激することが重要なのか、など、さまざまなお話が出てきました。
また、願望充足夢以外の不安夢や外傷夢、象徴が機能しない夢とは何かなどの質問もでていました。
後半の事例では、心理療法ではない生活的なかかわりの中で、心理職がどのように対象となる児童に関わり、
分析的理解を活かすことができるのかについて話し合われました。
困難な成育歴をもつ児童が、よい対象と悪い対象とをスプリットした状態で、さまざまな対象に投影している
状況を理解し、伝えていくことは、心理療法の開始が難しい状況の中では、少なからず児童の心身の発達を
考えたうえで、役に立つだろうという話が出ていました。
次回は、第7講「治療者の基本と治療の枠組み」です。
単回申し込みも可ですので、ご興味があるかたがおられましたら、ぜひこちらからお申込み下さい。