「ウェクスラー式知能検査の結果の読み方」を開催しました!

いつも連携していてお世話になっている就労移行支援事業所ディーキャリアからWAIS-Ⅳの所見や記録用紙の読み方を教えてほしいとご依頼をいただきました。
ディーキャリアは、大人の発達障害の就労支援を専門としておられ、日頃からとても丁寧な支援をされています。
就労移行支援事業所に通われている利用者さんが実施した検査結果を持参され、所見や記録用紙を見ることは多いそうで、その結果をもっと支援に活かせたらとご依頼いただきました。

支援者のみなさんは、福祉を専門的に学ばれたことがある方から、一般企業での経験を活かして働かれている方までさまざまです。
ウェクスラー式知能検査の内容も詳しくは知らない、という方もおられました。

そのため、ウェクスラー式知能検査がどのような検査なのか、どのような特徴があって、何がわかるのかということから説明をしました。
そのあと、合成得点の理解や下位検査の理解を深められるようそれぞれの得点の意味や、それぞれの差から読みとれることについても説明をさせていただきました。

最後はそうしたレクチャーをふまえて、実際の事例を記録用紙、所見それぞれから読み取ってもらう練習をしました。
グループにわかれて意見を出し合ってもらいましたが、驚くほどしっかりと読みとれていました。
さらに、検査結果から「何が得意で何が苦手か」だけでなく、その方にどのような支援方法を考えたらいいのかということについても考えていただき、私も想定していなかった素晴らしい支援の手立てを発表してもらいました。

所見に書かれている言葉を丁寧に読み「ここにこう書いてあるから・・」とどのような支援が適切かを考える力は、「さすが」という一言につきました。
さらには、「この数値からこの所見に書いてあることは言えるのでしょうか」と鋭い意見もあり、「そこは、クライエントに対する検査者の思いがこめられているところで、数値だけではないところがある」という話をさせていただきました。
「所見を書いた検査者の思いを汲んだ支援がしたい」とおっしゃっていただいた時には、こうした支援者の元に所見がいくことは、検査者にとって本望だなと感じました。

検査は検査をとって終わりではなく、その結果から、具体的な支援にどのように結びつけるかが非常に重要です。
また、就職する際にも、その方の得意・不得意を数値を示して会社側に説明ができると、説得力が増します。
こうした丁寧なサポートは就労支援をされている方々にお任せすることも多いため、就労移行支援事業所の支援員さんたちが、検査について知ってくださり、その結果を活用してくだされば鬼に金棒です。

今後も、ディーキャリアのような就労移行支援事業所が増えることを願いたいです。

研修が終わった後、一人の支援員さんが追いかけてきてくださり、私の著書を買って活用されているとお話をしてくださいました。
直接、著書を買ってくださった方とお話できる機会はなかなかないため、恥ずかしくもあり、嬉しくもありでした。

研修をしていて、みなさんがどんどん知識を獲得し、理解を深めていかれる様子を見れたり、支援方法について私も学ばせていただいたりと、大変充実した4時間になりました。

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