今さら聞けない心理療法の基礎 ~「知ってはいるけど…本当はよくわかっていない」を学ぶ~ ブリーフセラピー

シリーズ第6回目となった今回は、ブリーフセラピーについて、先輩心理士である竹田剛さんに教えていただきました。

ブリーフセラピーの特徴として「短期的」「効果的」「効率的」の3つをあげ、さらに竹田さんが感じるブリーフセラピーの魅力を3つ語ってくださいました。
1,基本哲学がある以外は”型”がなく自由
2,クライアント・セラピスト双方の活き活きした感情を手掛かりに進める
3, クライアント・セラピスト双方の活き活きした感情を手掛かりに進める

型がないからこそ、他の技法と組み合わせやすかったり、クライエントに合わせて内容を変えるなど、その応用は多方面にわたります。
しかし、本当に何をやってもいいわけではなくそこには次の3つの哲学があることが重要とされます。

  1. もしうまくいっているのなら,変えようとするな
  2. もし一度やって,うまくいったのなら,もう一度同じことをせよ
  3. もしうまくいっていないのであれば,(何でもいいから)違うことをせよ

竹田先輩は、複数の事例を用いながら、どのような時にどういった言葉がけをするかと具体的に実践で用いやすい解説をたくさん行ってくれました。
そしてどの場面でも常に「それがその人にとって解決に向かうことなのであれば良い」という言葉を使われていました。
その言葉、その行動自体を良い悪いで判断するのではなく、「それはクライエントにとって解決に向かうことなのか」を判断基準にし、クライエントとそれを共有していく過程は、セラピストの心構えとしてもっておくこととしても重要に感じます。

そして実際に起こっている「変化」に気づくことの重要性とその気づきをクライエント自らができるようになっていくことの重要性を教えていただき、そのコツについても語っていただきました。
今回は、この基本哲学と判断する基準を徹底して教えていただき、ミラクルクエッションや外在化、スケーリングといったブリーフセラピーを学ぶ際によく見聞きする技法については簡単な紹介で終わりました。
実際、こうした技法は基本哲学を徹底、解決に向かっているかを判断するという基本的なことがおろそかになっているようでは有効に働きません。
どうしても名前のついた技法がでてくると人はそれにとらわれ、それをすればいいのだと安易な方向に走ってしまうのではないでしょうか。

竹田先輩だけでなく、これまで話をしてくださった先輩全てが「技法」よりも「マインド」を大切にすることを教えてくれています。
経験や知識が浅い初学者は、どうしても「なんとかしたい」という思いから「技法」に目が行きがちですが、その技法を有効に使うためには、「マインド」が必要不可欠なんですね。

竹田先輩は、医療機関でのケースを中心にお話いただきましたが、この「マインド」が理解できれば、どの領域でもどのクライエントでも応用していくことが可能になるのではないでしょうか。

今回、録画したものは11月30日に配信予定です。12月末日までに見ることができます。
また次回は12月26日 フォーカシングを先輩心理士(師) の岡村心平さん(神戸学院大学)に教えていただきます。
いよいよ各学派の研修の最後となります。
1月にはこれまでご講義いただいた全先輩にご登壇いただき、事例の見方を教えていただきます。
単回参加も可能ですのでご興味のあるかたはこちらからお申込み下さい。

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