『新年度が始まる前に心理検査を学ぼう2019〜2020』第二回目の今日は「おさえておきたいPFスタディ」でした。
実施編の研修では、概要と実施法、スコアリング、整理法について講義をしました。PFスタディを実施する上で、基本的な概念となる「アグレッション」「フラストレーション」などを確認し、教示と検査場面での行動観察、検査後の質疑について説明しています。特に、全24場面を一つ一つ確認しながらの、スコアリングの練習を行いました。スコアリングでは9つの因子と2つの変形因子、計11の因子のうちのどれかをスコアしていくことになります。まずはそのスコアを整理用紙にどのように記載していくのか、それから、その後、GCR値(集団一致度)の算出、プロフィール欄の計算、超自我因子欄や反応転移欄の計算、そして、主要反応の記載などを確認しました。なかなか2時間という時間の中で、駆け足になってしまうところもありましたが、実施手順を一通り体験してもらえたのではないかと思いました。
解釈編の編集では、実施編で整理したスコアリングのデータをどのように読み込むかについて、講義とグループワークをしました。各スコアや数値にはそれぞれ意味がありますが、その意味をそのままあてはめることはできません。たとえば、I-A(自責)という系列のスコアの中に、I反応(自責反応)というスコアがありますが、この数値が高いからと言って、一概に、その方にフラストレーションの原因を結び付け、強い罪悪感を抱える傾向がある、とは言えません。反応内容をみると、罪悪感を強く感じる傾向だけではなく、表面的に謝罪するだけでその場を済ませようとする傾向の場合もありますし、言い訳をすることで自己弁護する傾向の場合もあります。
後半には、事例を一つ取り上げ、各グループに分かれて、それぞれの指標をどう読み込むか話し合ってもらい、最後にそれらの情報を統合すると、どのような人物像ができあがるのかを体験してもらいました。児童にかかわる職場で活用されることの多い検査ではありますが、年代を問わず、多くの人のパーソナリティ理解に役立つ検査だと感じてもらえると何よりと感じています。
なお、今回の勉強会の最後である第5回目の公開スーパービジョン(実施・スコアリング研修)では、WAIS-Ⅳを岸本先生に見ていただきます。単回申し込みはまだ受け付けておりますので、ご興味のある方はこちらからお申込み下さい。