『基礎から学ぶ 生きた所見の書き方 』開催

2019年6月16日、今回は『基礎から学ぶ 生きた所見の書き方』というテーマで、
研修会を開催いたしました。
講師には、これまでも当研究所のアセスメントに関する研修会を担当してくださっている、
京阪病院心理室の岸本和子先生をお迎えし、5時間に渡る長時間の研修をお願いしました。

また、当研究所にとっては、初めての臨床心理士ポイント申請対象となる、
記念すべき研修会でもありました。

まず午前中は、「心理検査所見とは何か?」、「心理検査所見ができるまで」、
「アセスメントとは?」といった、臨床の現場ではなんとなく見過ごしがちな、
最も基本的な部分をご講義いただきました。

心理検査のオーダーがあり、対象となる方に検査についての説明をし、
そして心理検査を選択していきますが、
アセスメント、「見立て」はもう既にこの時から始まっています。

もちろんこのこと自体は様々なテキストや大学院での講義などで、
指摘されるところではあります。
しかし、「本当に」現場でそこまで見ているのか?
例えば、
対象の方の一言一言、一挙手一投足に目を向けているのか?
インテークや情報収集だからといって、「はい、分かりました」と聞き流してはいないか?
その質問はきちんと「意図」を持ったものなのか?

目の前の方が、どういった歴史、どういったストーリーで
心理検査を受けるという場面に至ったのか、
いかに丁寧に見聞きする必要があるのかという、
アセスメントの原点における姿勢を教えていただきました。
そして、その姿勢によってどの心理検査を選ぶかが、
確かに変わるのだということを実例を挙げながら提示していただきました。

午後は、実際のひとつの事例を取り上げて、
テストバッテリーをどう組むか、心理検査所見をどう書くかを
グループワークを混じえながら検討しました。

グループワークでは、今回なるべく経験年数が拡散するように組ませていただきました。
院生の方、医療機関に勤めておられる方など職種も様々で、
初学者ならではの新たな視点もあれば、熟練ならではのアイデアもありました。
また、じっくり考えるグループもあれば、活発な議論になるグループもあったりと、
グループ毎に事例を味わっていました。

この事例検討の際にも、心理検査の結果だけから見立てるのではなく、
アセスメントのプロセスを徹底的に細部まで検討し、
豊かでリアルな人物像を練り上げることの重要性を、
肌で感じながら考えることができました。

『生きた所見』は、心理テストだけでなく、
面接から医学的検査まで、様々な情報を総合した結晶であること、
そのためには基本的な知識や姿勢がいかに大切かを、
岸本先生は穏やかな口調ながら、確固たる信念のもとで
ご講義くださいました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
ぜひこれから臨床に活かしていただきたいと思います。