新年度が始まる前に心理検査を学ぼう2019〜2020『おさえておきたい風景構成法』を開催いたしました

2月16日に「新年度が始まる前に心理検査を学ぼう2019~2020」の第4回である風景構成法の研修を開催しました。

参加者の先生方にお話を聞いてみると「風景構成法は学んだけれど、現場でどう使えばいいのか分からない」「医療現場で働いているけれど診療報酬の対象ではないので好まれない」などのご意見があり、
ほとんどの方は現場で使用していないようでした。

風景構成法は1969年に中井久夫によって統合失調症者への非言語的な精神療法として創案されました。
重篤な精神疾患をもつ方によって描かれた項目や描画の空間構成の特徴を整理し、
描画をとして病像や治療経過をみることができるとして多くの知見があります。
現在では適用範囲は幅広く、絵画療法あるいは心理療法のツールとしても利用されています。

実施編での研修では、風景構成法が成立した歴史的背景を整理し、
統合失調症者に実施する際の一般的な特徴として整理された情報を確認しました。
また、実際に参加者同士で風景構成法に取り組んでみました。
「学生時代にして以来」と仰る方も、初めて取り組まれる方もおり、皆さま、思い思いに絵を描いておられました。
この技法では、次々と検査者によって提示されるアイテムを一枚の用紙の中に描いていくことになるので、どの項目を描きにくいのか、そして配置が難しいと感じるのかを改めて体験していただけたのではないかと思います。
また、実施の際に観察するポイントについも、背景理論との関連付けながらお伝えさせていただきました。

解釈法の研修では、統計的な研究にもとづく空間構成の理解や構成型について、それから各項目の象徴理解についてご説明しました。
その後で、事例を用いて自分で解釈を考えてみる時間を設けました。
絵画療法として縦断的観察の中で用いられることの多い風景構成法であり、
検査として用いる際には特に、一つのサインを一義的に理解するリスクがあります。
そのことを踏まえた上で、いくつかの指標からなる一定の有用な仮説を構築することが重要であり、
事例の検討を通して、仮説をフィードバック面接を通して検証し、
受検者の理解や治療効果につなげることができることを共有できたのではないかと思います。

次回は、第5回公開スーパーヴィジョンになります。
京阪病院の岸本和子先生をお迎えして、知能検査や人格検査の事例をみていく研修になります。
残席がございますので、ご希望の方はぜひご参加ください。

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