今回から『(現代精神分析基礎講座 第4巻 精神分析学派の紹介2』 (2019、古賀靖彦編著、金剛出版)を読んでいきます。
前半の講読会は「自我心理学とその基礎」を読みました。
イド、自我、超自我の関係が、それぞれどのようなパーソナリティ構造を形成するのかや防衛機制について
参加者の皆様が実際に臨床場面で出会われる事例をあげながら
理論と実践とをどのように結び付けていくかをディスカッションしました。
また、児童期・思春期を対象に臨床をされておられる参加者が複数おられたことから
自我の調整機能や超自我の取入れなどが、どのように形成されていくのか
フロイトの発達理論を踏まえながら、検討しました。
今回から、具体的にクライエントの心の構造を理解する内容に入ったため
今までより活発に事例の話が出てくるようになりました。
後半の事例では、児童のプレイセラピーを検討しました。
プレイの中で児童が表現したかったことは何か
セラピストとの間で何が起こっているのか
参加者それぞれの空想について意見を出し合っていきました。
発表者の方からは、
職場としての判断やリミットセッティングをどのようにセラピーの中で扱うかに困っているという話があり
それについての意見も出し合いました。
とても素直にご自身の体験を言葉にしてくださる発表者でしたので
逆転移から読み取れることについても考えることができました。
こうしたご自身の体験を人前で言葉にすることは非常に勇気がいることですので
語ってくださった発表者の方には本当に感謝です。
最後に
「私は痛い」などセラピストが感じたことをクライエントにそのまま伝えることはどうか
というご意見があり
プレイセラピーが一体何を目的としているものかについて話が広がりました。
療育を目的とするのか、心を理解することを目的とするのか
そうした目的は児童と共有されているのかなど
プレイセラピーを実施する上での基本姿勢について確認できたように思います。
次回は8月9日(日)13時~16時、講読は「自我心理学の新展開」です。
単回参加も受け付けております。
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