2020年11月24日に初学者ロールシャッハ勉強会を開催しました。
この勉強会は毎月第4週の火曜の19時半~21時半まで開催しています。
今回は前半にグループワーク、後半に講義を行いました。
前半は、前回までに一通りコーディングや構造一覧表についてレクチャーを行ってきており、今回は事例をみてみようということでロールシャッハの書籍に掲載されている事例(仕立屋の事例)を用いて、順次コーディングを確認していきました。ちなみに今回、書籍は『ロールシャッハとエクスナー ロールシャッハ・テストの起源と発展』(2005、包括システムによる日本ロールシャッハ学会 (編)金剛出版)を使用しています。ヘルマン・ロールシャッハが実際に実施した事例も載っているので、なかなか面白い本です。
Ⅰ図版から順番にコーディングをしていき、自分がコーディングをするのであれば迷うところや、どのように質問をしてコーディングを確定することができるのかについて、随時ディスカッションしながら進めています。今回は途中で時間がきてしまったので、次回にコーディングの続きと構造一覧表の読み取りをしていきます。
後半では、コーディングブックを使ってコーディングを練習するグループと、基本的なコーディングの知識を一つ一つ確認していくグループに分かれて、勉強していきました。どちらのグループとも「こういう時にはどうコーディングするのか」という質問が出てきて、随時話し合って確認しています。被検者が見えているものを検査者が同じように見えるように質問をしていき、それをコーディングするということが重要です。ロールプレイをしたデータをコーディングしているグループでは、被検者役の参加者の方が「自分はこう見えていたから、こういったんだと思う」と話してくださるので、検査時の言語反応とそのときに図版に見えていたものとをすり合わせることができました。また、構造一覧表の解釈のレクチャーを終えているので、「このコーディングが構造一覧表のこの数値や解釈に繋がっていく」ということをイメージできると、さらにコーディングしやすくなるでしょう。
この勉強会には、現場でロールシャッハ・テストを実施している人も、今、現場では実施していないけれど学んでいきたいという人も参加しています。ロールシャッハ・テストを実施するときの疑問や、他の手法との違いについてもディスカッションできるので、一から包括システムの手法を学びたいという方にもお勧めです。月に一回の勉強会ですので、少しずつですが着実に技術を身に着け、勉強仲間を作ることのできる会です。
次回は、12月22日火曜の19時半から(2時間)になります。
ご関心のある方はこちらから是非お申し込みください。