初学者のための『心理検査 事例検討会』(2020年度)発達検査 事例検討会 第1回を開催しました!


緊急事態宣言が明け、当研究所では、換気や手洗い、アルコール消毒などの感染予防を徹底した上で、勉強会の再開を決定しました。

午前の部は、発達検査を臨床現場で実施している方々が集まり
事例を提供していただいています。
今回は、WAIS-ⅣとWISC-Ⅳの2事例でした。

数値と合わせて、検査場面での様子や回答内容についても細かく見ていき
カルテ情報や検査前に聴き取ったわずかな情報も検討し
主訴に対して、どのような回答が導き出せるかについて検討しました。

ウェクスラー式知能検査では、発達障害かどうかの鑑別はできませんが
回答の様子や回答の内容などから、その方らしさが見えてきます。
今回、2事例とも、発達障害の傾向についてがテーマになりましたが
発達障害かどうかではなく
衝動性は高いか、注意集中はどうか、どこにこだわりがあるか、言葉の使い方は適切かなどを見ていきました。

また、実生活と検査数値とが一致しない場面では
なぜ一致しないのかについても、仮説をたて
他の要素と合わせて、推測しました。

事例提供者からは「まるで被検査者を見たことがあるように読み取っている」という感想をいただきました。
数値と被験者の様子とが乖離してしまわないように解釈することも重要ですね。

午後の部は、発達検査を臨床現場では実施していない方々が集まり
葉のスタッフが事例を提供して、それについて考えていただきました。

今回はWAIS-ⅢとWAIS-Ⅳの事例を提示し
それぞれの違いについてお伝えしていきました。

それぞれの数値が何を意味しているのか、その数値から何が読み取れるのか
回答内容はどうなっているか、そこから何が読み取れるのか
所見を書く際に検査者が見ていく手順に沿って、事例を細かく見ていきました。

1事例目を丁寧に説明した後、
2事例目は参加者の皆さんに気になるところや、読み取れそうなところについて考えていただきご意見をいただきました。

最後に
「所見を書くときに、どのようにまとめていったらいいか」
というご質問がなされました。

浜内個人の方法として、最初からまとめようとせずに
数値から言えること、
行動観察から言えること
回答内容、回答方法から言えることなど
気づいたところを列挙し、その中で繰り返し出てくるキーワードを拾っていく方法をお伝えさせていただきます。

子ども領域の参加者も多くおられたため、次回はWISC-Ⅳの事例提供を行えたらと思います。

次回は8月9日を予定しております。
参加ご希望の方はこちらからお申し込みください。

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