この待遇でいつまで働くの?~雇用契約でおさえておきたいこと~

本日は雇用契約について社会保険労務士法人 大竹事務所 代表社員 社会保険労務士 大竹光明さんにお話をしていただきました。
心理職は、複数の職場をかけもちしたり、転職をすることが多かったりするため、雇用契約について考えなければいけないことが多いはずです。
しかし、実際には、雇用契約について知らないことが多く、「これってどうなの?」と感じることがあっても、誰にも聞くことができずに働き続けていることが多いのではないでしょうか。

心理士自身が、自身の立場を安定させなければ、安心して支援を提供できないのではと考えています。
そのため、心理士が安心して働けるようにするために、こうした企画をしました。

前半は、講義をしていただきながら、司会のスタッフより適宜質問紙、雇用契約の基本についてお聞きしました。
改めて知らないことがたくさんだなぁと感じました。

例えば
労働契約は口頭でも認められること
労働条件通知書と労働契約書の効力は同等のものであること
交通費は労働基準の基本には含まれていないこと
など。

交通費は、ほとんどの会社が支給していることが多いのですが、それは労働基準法に定められているからではなく、
交通費を支給するのは会社側が労働者に応募してほしいと感じるから行っていることである
という知識があると
「なんであの会社は交通費を払ってくれないんだ!」
と不満を抱くのではなく
「この会社が交通費を払ってくれてありがたい」
となりますね。

他にも、労働をしているときに、何が権利として認められているのか、何が正しいのかを知っていないと不必要に腹を立ててしまったり、我慢してしまったりすることがあるんだなぁと感じました。

講師の大竹先生は、何度も「法律では微妙なところ・・」と言葉を濁されながら、労働に関する考え方を教えてくださいました。
お話をお聞きして、会社側と話し合いをもつこと、自分が何のために労働条件の改善を訴えるのか、その大義(会社のため、後輩のため、自分のスキルに見合ったものにするためなど)を明確にすることの大切さを感じました。
そのためには、自分が会社に貢献できることは何か、何ができて何ができないのかなどを言葉にしていくことも重要だと感じました。

後半30分は、参加者の方々からの質問にお答えいただく形式となりましたが、多くの方々から様々なご質問をだしていただきました。
複数の職場をかけもちしているからこそ出てくる悩み、更新が必要な中で抱える悩み、一人職場だからわからないことなど、心理職ならではのことがたくさん出てきました。

質問の多くは「これって法律的にはどうなの?」と感じているものや、「そもそも雇用契約をきちんと見たことがなかった」という内容が多くありました。
そして、労働に関する事柄は「信義誠実の原則」にのっとっており、問題が発生した場合にも白か黒かということでは解決されず、会社側と労働者側の「関係性」によって解決することが多いのだと感じました。
そうすると、今の会社を「信用できるか」ということが働くうえで重要なのではないでしょうか。

また今後も、このように心理士自身の生活安定のための研修も行っていきたいと思います。
ぜひ機会が合いましたらご参加ください。



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