全3回シリーズの第1回目です。
参加者の方々に参加動機をお聞きしたところ
「臨床心理士だが、昨年度まではカウンセリングを実施しない機関で勤務しており、転職でカウンセリングを行うようになったため」
「公認心理師を現職ルートで受験し、職場での対応に困っているから」
「見立てる方法について学びたいと思ったから」
など、理由は様々でした。
今回は、『カウンセリングの理論と治療構造』というテーマでお話をさせていただきました。
カウンセリングと心理療法の違い
臨床心理学の基本となる、臨床心理査定(アセスメント)の方法についてと心理的介入について
治療構造の意味やそこから見えるクライエントやセラピストの心の動き
などについて細かく説明しました。
特にアセスメントについては、観察法、面接法、心理検査を用いて行うことや
その結果に基づいて、心理的仮説が形成され、そこから治療目標と方針を立て、クライエントと治療同盟を結ぶという過程を
参加者の臨床場面ではどのように行えるかを具体的にお伝えしました。
アセスメント結果をクライエントとセラピストが共有し、
これから何にとりくんでいくのか、そのためにはどうするのかを確認したうえで、双方が同意することが重要です。
この「双方の同意」を得るために、クライエントのニーズや気持ちを推測し、確認しながら進めていきます。
構造化については、どのような構造化が一般的だと言われているかをお伝えしたうえで
実際にそのような構造化ができる臨床現場が少ないことから
この基本の構造化をどのように応用していけばいいのかをお伝えしていきました。
構造化は「絶対に守らなければならないもの」ということではなく
守れなかったり、守られなかったりした場合に、そこにどのような心の動きがあるかを考えるためにあるものです。
心理的介入に関しては、次回により詳細にお伝えする予定です。