2019年7月から9月にかけて、全3回に渡って
『公認心理師のための カウンセリング技術・基礎研修』を開催いたしました。
本日第3回目を終えたので、報告いたします。
公認心理師を取得された方を対象に、
学派に偏らない形でカウンセリング技術の基礎をテーマに研修会を行いました。
第1回目から第3回目にかけて、それぞれ
『理論と治療構造』、『基本技法』、『応用技法』と進めてきましたが、
今回は『応用技法』ということで、『マイクロカウンセリング』を中心に
話をしました。
マイクロカウンセリングは、アレン・E・アイビイによって、多種多様な心理療法やカウンセリング理論の基本となっている面接技法に着目し、
統合されたカウンセリングの基本モデル(メタモデル)です。
マイクロ技法の階層表の中の基本的傾聴の連鎖をこれまでの復習として説明し、
積極技法を応用編として説明をさせていただきました。
積極技法を用いるためには、基本的傾聴の連鎖を丁寧に繰り返し、
クライエントの発達段階、パーソナリティ、病態水準等をきちんとアセスメントする必要があります。
そのうえで、どの積極技法をどのタイミングで行えば、より有効かを吟味することにより、よりその効果を発揮します。
自己開示は、言葉だけでなく、面接者の見た目や持ち物も自己開示になっており
どこまで自己開示するかは、どのようなバウンダリーを形成するかにも大きく影響します。
参加者の皆さんから
「プライベートでクライエントに会わないように、通勤時間を長くしている」
「一生、プライベートでそのクライエントを引き受けるつもりがないのであれば、バウンダリーはきちんとしないと」
といった話もでました。
最後に、理想化や攻撃を向けられた場合の対応方法や
面接者がクライエントに抱く感情の取扱いについて、転移・逆転移の文脈から説明をさせていただきました。
参加者の皆様の感想でも、
「自分の臨床を見直す良い機会になった」
「同じ内容でも、定期的にもう一度受けたい」
といった声をいただきました。
今回、全3回を通してこうした基本を押さえながら、
できるだけ講師の経験を交えてお話させていただきました。
少しでも皆様のお力になれればこれに代わる喜びはありません。
当研究所では、このような基本的な姿勢を振り返る機会はとても大切だと思っており、
今後も様々な機会を作っていきたいです。
参加者のみなさま、おつかれさまでした!