本日、「今さら聞けない心理療法の基礎 ~「知ってはいるけど…本当はよくわかっていない」を学ぶ~」の2回目を実施いたしました。
2回目は、精神分析についてです。
フロイトが精神分析を創設し、どのような理論展開をしていったのか、フロイトの重要な理論について詳細に説明をした後、技法論について説明をしました。
技法論は、転移、逆転移、抵抗について説明し、具体的に事例を通してどのように扱えばいいのかをお伝えしました。
フロイトの論文を引用しながら、精神分析の目的が「ありきたりな不幸」を目指すことであることや、前意識に上がってきていないものをいきなり直面させるなど乱暴な解釈をしてはいけないこと、そのためには転移神経症が形成されるのを待つ必要があることなどを説明しました。
後半の技法論については、少し駆け足になってしまい、質問に対して十分にお答えすることができなかったことが反省点です。
ただ、解釈という技法にだけ焦点化され、解釈に至るまでの理論やセラピストの内省作業をすっ飛ばしてしまうと、それは本来の解釈が持つ効果は薄れ、とても乱暴なものになってしまいます。
そのため、理論についての説明や、その理論が作られた背景について丁寧に説明をさせていただきました。
精神分析は、すぐに活用できるものではありませんし、学んだからといってすぐにクライエントに適応したり効果を見いだせるものではありません。
そのため学んだだけの見返りが返ってきにくく「なぜ学ぶのか・・」と落胆してしまわれることが多いのではないでしょうか。
しかし、人の精神構造はそう簡単に理解できるものではなく、そのわからなさや苦しさをクライエントと共に耐えぬくための知恵を与えてくれるように感じます。
研修の中でお伝えしたように、精神分析は全ての心理療法の源流ですし、心理検査の解釈などでも用いられることの多い理論です。
そのため、どの心理療法であっても、精神分析について簡単にでも理解しておくことは、他の心理療法をより深く理解していく上で非常に役に立つのではないでしょうか。
録画は今月末日に配信し、8月いっぱい視聴することができます。
今からお申込みいただいてもかまいません。
来月は8月29日(日)10時~13時 認知行動療法(CBT) 小野 真嗣 さんです。
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