今さら聞けない心理療法の基礎 ~「知ってはいるけど…本当はよくわかっていない」を学ぶ~ 応用行動分析

シリーズ第4回目となった今回は、応用行動分析(Applied Behivior Analysis:ABA)について、先輩心理士である河上雄紀さんに教えていただきました。

今回は、応用行動分析における学派と理論、主要技法の説明、今後の学び方、という流れで研修が進んでいきました。

まずは、行動分析学の創始者であるB.F.スキナーの話に始まり、スキナーの逸話や彼が作った行動分析学のについてのお話でした。「先行子→行動→結果」を分析するのであって、人格や性格、社会規範などの内的原因を変えることはしない、というのが一つの特徴ですよね。
河上さんのお話は非常にわかりやすく、
「応用行動分析は支援特化であり、問題をこう捉えると支援しやすいという考え方をする」
「観察可能なものを扱うので、介入の成功や失敗がすぐわかる」
など、架空事例をあげながら説明してくださいました。

また、正の強化と負の強化の話の中で、強化の力を最大化する方法として、随伴性(狙った行動が起きたとき)や即時性、確立操作(その事象の獲得量の調整)、結果の特性(その人にあった)などがあることや、正の強化の応用についてもお話しくださいました。「衣類を脱ぎ散らかす男児に、靴を揃えて置く行動を増やしたい時に、父親がどうやって記録を採るか」という架空事例のワークでも、介入法や記録の取り方など、具体的なイメージをもちながら理論を学ぶことができました。
そして以前に「罰 」と訳されていた「punishment」は最近では「弱化」と呼ばれているそうで、時代に合わせて(?)専門用語も変化するのだなあ、としみじみ感じいってしまいました。

他にもいくつかの事例を用いたワークや、学ぶとしたらどのような本から学ぶのが良いか、参加するのはどういう学会からか、なども幅広く、分かりやすくお教えいただけました。
一通りお話をお聞きしてみて、非常に実用的であり、機械的にではなく、クライアントさんの話を丁寧に誠実に聞きながら、信頼関係を築いたうえで実施される技法であるということを学ぶことができた研修でした。

今回、録画したものは9月30日に配信予定です。10月末日までに見ることができます。
また次回は10月24日 家族療法を先輩心理士(師) の浅井 伸彦(一般社団法人国際心理支援協会)に教えていただきます。
単回参加も可能ですのでご興味のあるかたはこちらからお申込み下さい。

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