パニック障害/パニック症(Panic disorder ; PD)

パニック障害/パニック症は、「不安障害」の一つで、
突然、動悸が激しくなったり、呼吸が苦しくなったり、震えたりするパニック発作が繰り返され、
パニック発作が起きるのではないかという予期不安が出現する病気です。

パニック発作は、息切れ、めまい、呼吸困難などの身体症状と同時に強烈な不安が襲い、
「死んでしまうのではないか」という恐怖を覚えます。
救急搬送されることもありますが、病院での検査では何の異常も見つかりません。
発作は数分から数十分すれば自然と治まります。
そのため、パニック発作により死亡することはありません。

パニック発作は、電車は教室、人ごみ、会議等、「自由に逃げられない」と感じる場所や
「知らない人に迷惑をかけてしまう」と感じる場所で起こることが多いです。
そのため、発作が生じないように、そうした電車や教室、人ごみ、会議等を避けるようになります。
この予期不安から、広場恐怖を併発してしまうことも多いです。
そのため、外出することや一人で外出することに不安を感じ、家にひきこもりがちになってしまう人もいます。
また、この予期不安が高まることによってストレスや緊張が高まり、
パニック発作を引き起こしやすくなるという悪循環が生じます。
さらに、パニック発作が生じることや予期不安からストレスが増強し、
うつ病や全般性不安障害を併発する人もいます。

近年では、漫才師中川家の中川剛さんや元プロ野球選手の長嶋一茂さん、
アイドルグループKinki Kidsの堂本剛さん、Sexy Zoneの松島聡さんなど
多くの芸能人がパニック障害になり、そのことを公けに発表されたり、休業されたりしています。


パニック障害/パニック症 の原因

パニック障害/パニック症 の原因は、今のところ明らかにはなっていませんが、
過度の緊張やストレスが発症の契機となっていると言われています。
また、炭酸ガスやカフェインなどのパニック発作を誘発する物質についても言及されています。
罹患率は100人に1~3人ほどで、男女差はなく、20代~30代に多いとされています。


パニック障害/パニック症 の治療方法

パニック障害/パニック症 の治療方法は薬物療法とカウンセリングが有効だと言われています。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬でパニック発作の軽減や消失をはかり、予期不安をやわらげます。
また、抗うつ薬であるSSRIやSNRIも有効であるとされているため、
主治医と相談しながら服薬調整を行うことが望ましいです。
カウンセリングでは、認知行動療法や暴露療法(エクスポージャー)が有効とされています。
パニック発作の問題の中核には「発作を自分ではコントロールすることができない」という感覚があり、
この認知を修正していく必要があります。
そのため「発作を起こさないこと」を治療目標におくのではなく、
「発作が起こっても適切に対処できる」ようになることを目標とします。
そうすることで、発作に対する不安が軽減され、結果としてストレスが減り、発作の頻度が落ちたり、
予期不安が薄まったりします。
また、人間関係や家族関係などから生じる心の葛藤をうまく解消できず、
心がSOSとしてパニック発作を生じさせることもあります。
そうした場合、認知行動療法や暴露療法などのカウンセリングによって対処方法を学ぶことも重要ですが、
根本にある葛藤をどのように解消していくかも大切です。
そのために精神分析的心理療法が役に立つ場合もあります。
どのカウンセリング技法が適切かは、担当カウンセラーとご相談下さい。