初心者精神分析勉強会(2020年度)第5回を開催しました!

2020年11月1日に初学者精神分析勉強会(第5回)を開催しました。

前半は、購読図書『(現代精神分析基礎講座 第4巻 精神分析学派の紹介2』 (2019、古賀靖彦編著、金剛出版)の
「第4講 自己心理学」の講読とディスカッションを、後半は事例検討を実施しています。

自己心理学はハインツ・コフートを祖としており、現代の自己心理学は関係精神分析との交流を活発にしているようです。
コフートは初期に自己愛パーソナリティ患者との治療の中で、治療者との間に自己愛転移という転移を持ち込むのだと論じました。
それには、治療者に自己の誇大性への応答を求める鏡映転移や、治療者を全能視する理想化転移がありますが
それらを病的なものとはみなしませんでした。
自己は、自己の一部のように体験される対象である自己対象との関係性の中で発達し、生涯にわたり続くものだとしていました。
ディスカッションでは、自己心理学のいくつかの概念をどのように理解するのか、
自己愛性のパーソナリティをもつ方とお会いする時にこうした自己心理学の概念をどのように活用することができるのか、
などが話題にあがりました。
普段自分がふれることのない理論に本を通して触れ、それを他の方々とあれやこれやと議論しながら理解していくというのが
この勉強会の醍醐味ではないかと考えています。

後半は、精神医療での事例について検討しました。
自身の障害特性の理解や、精神障害者手帳の取得、制度利用、就労支援やデイケアなどの施設に繋がっていくなどの現実調整が
必要な中での、心理療法初期の経過でした。
事例は今後、心理療法を行う土台を作るためのマネージメントをどのように行っていくかがテーマとなっていました。
今後、主治医や精神保健福祉士らと連携をもって、心理士が行う役割を明確にするのがよいだろうという意見が出ました。

次回は12月6日(日)13時から16時を予定しております。

前半は「第5講 関係精神分析」を講読します。
フェルマータクリニック院長の細澤仁先生にも再登場いただきます。

詳細やお申し込みはこちらから。

また、細澤先生のGSVが毎月第4土曜日19時30分~21時30分、当研究所高槻オフィスにて実施しております。
ご希望の方は、hutaba.kokoro@kokoro-you.comまでご連絡下さい。単回参加も可能です。

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