今さら聞けない心理療法の基礎 ~「知ってはいるけど…本当はよくわかっていない」を学ぶ~ 家族療法

シリーズ第5回目となった今回は、家族療法について、先輩心理士である浅井伸彦さんに教えていただきました。

家族療法という言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、具体的には知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回、浅井先輩は、家族療法によくある誤解から説明をしてくださいました。

例えば、家族療法は家族に問題がある場合(家族=問題)に行われるセラピーである、家族療法とシステムズアプローチはイコールであるなど。
これらのどこが誤りか、具体的に説明できますか?

こうした導入があったうえで、家族療法の特徴や家族療法とは何かといったことを説明してくださいました。
また、家族療法には「システム理論」「円環的因果論」「コミュニケーション理論」「サイバネティックス」など奥の用語があります。
こうした用語の理解が難しく、勉強を断念された方もいるのではないでしょうか。

浅井先輩は、家族療法の歴史を説明しながら、それらの言葉がどういったところから生まれてきたのかを分かりやすく説明されました。
家族療法の第二世代以降は、多くの種類にわかれます。
来月竹田先輩が教えてくれるブリーフセラピーはこうした家族療法の第二世代から派生しているということも教えていただき、来月の内容につなげる話をされました。

最後は「よくある事例」として子どもが不登校になったことにより、母親がイライラし、さらに両親の対立が起こっているというものをとりあげ、これまで説明がなされてきた家族療法の視点をどのように取り入れるのかを解説されました。

質疑応答の時間に「コンプリメントやジョイニングをうまくなるコツを教えてほしい」といった意見があり、それは私も是非聞きたい!と思いましたが、浅井先輩からはシンプルに「練習を積み重ねること」とのお言葉が。
でもそれはこれまでのどの先輩方も共通して仰っていることで、こうして研修を受け「分かった!」と理解したつもりでも、実践を積み重ねなければ自分の力になりません。
理論を理解したら、後はひたすら実践あるのみですね。

さらに質問の中で「目の前で夫婦喧嘩が始まったらどうするのか」というものがあり、それに対して「こんな喧嘩をしていると話できくよりも、実際に目の前で喧嘩が始まってくれた方が何が起こっているかわかりやすい」という回答がありました。
こうした事態を好場面として扱えるのは家族療法の大きな利点ですよね。

複雑になりやすい家族療法について、とてもわかりやすく解説をいただいた3時間でした。

今回、録画したものは10月31日に配信予定です。11月末日までに見ることができます。
また次回は11月14日 ブリーフセラピーを先輩心理士(師) の竹田 剛(神戸学院大学)に教えていただきます。
単回参加も可能ですのでご興味のあるかたはこちらからお申込み下さい。

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