初心者精神分析勉強会(2020年度)第7回を開催しました!

2021年3月28日に、2月7日に予定されていた初心者精神分析勉強会(2020年度)第7回を開催しました!

前半は『(現代精神分析基礎講座 第4巻 精神分析学派の紹介2』 の第6講「子どもの精神分析 その歴史」を購読し、ディスカッションしました。フロイトのハンス症例に始まり、アンナ・フロイトやメラニー・クラインなど、成人を対象としていた精神分析が、どのような変遷を経て、子どもを対象とし発展したのか、その歴史の概要を学ぶことのできる章でした。
「教育的な精神分析というのがどういったものか、それは精神分析にあたるのか」といった質問が出ましたが、学派によってはエディプスコンプレックスが成立する前、自我、超自我、イドの精神構造が確立する前の子どもには、解釈を中心とした関与をしないというスタンスがあり、自我の成長を促すための関わりという考えがあるようです。その一方で、たとえ2歳や3歳といった子どもであっても、より早期の不安や攻撃性など内面の解釈をするとするスタンスもあるようです。今回は概要しか知ることはできませんでしたが、歴史的背景の中で、アンナ・フロイトとクラインの子どもの精神分析についての考えをめぐる「大論争」と呼ばれる出来事や、それぞれの理論や技法についてより深く学ぶ必要を感じることができました。

後半の事例は、スクールカウンセリングでの母子への関わりが中心となる事例でした。学校全体としての対応が必要となる事例だったので、学校の教員と母子との間でどのような力動が動いているのかを理解するのに精神分析的な視点を役立てることはできそうでしたが、心理士として実際的にできるのは母子に中心的に関わる先生方へのコンサルテーションではないかというコメントがありました。学校現場で心理士として何か先生方に役立つ、直接的な働きかけを子どもたちにしなければならないと焦りや不安を抱えることもあるでしょうが、それよりは、母子に中心的に関わる先生方が不安やとまどいを感じながらも、継続的に支え続けることができるように心理的な視点から支援していくことの重要性について話し合われました。のか、思春期の言語面接についてご提示いただき
「話せない」クライエントへの対応について議論しました。

2020年度の勉強会は今回で最後になりますが、2021年の勉強会が4月より始まります。
対面での実施ではなく、オンラインでの開催となります。
初回は、4月4日日曜 10時から12時になります。購読範囲は、「第8講 子どもの精神分析的心理療法2」です。講師をお招きしての開催となり、今回は、北川清一郎先生 (心理オフィスK)にお越しいただきます。
参加をご希望の方はこちらよりお申し込みください。

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