午前の部ではWAIS-Ⅲが2事例。
それぞれ精神科クリニックの事例でしたが、1事例目は、現在カウンセリング中のケース。
仕事での困り感をカウンセリングの中でどうサポートしていけばいいかを検討したいとのこと。
2事例目は、検査後、カウンセリング導入になるケース。
カウンセリングに向けた見立てや方針にWAIS-Ⅲの結果をどう活かせばいいかを検討したいとのこと。
午後の部ではWISC-ⅣとWAIS-Ⅲの2事例。開業オフィスでの実施。
1事例目では、受検者が今後学習していくうえで、どのような工夫が必要かを検討。
2事例目では、困り感はなく、今後のキャリアアップに活かしたいという開業オフィスならではの
主訴で来られた方に、どのようなフィードバックができるかを検討しました。
いずれの事例も、クライエントが何を主訴に来られたのか、その主訴に対して、
検査から何が言えるのか、を話し合っていきました。
参加者から「こういうことが言えるのではないか」という意見がでると、
事例提供者から「そういえばクライエントはこういうことを語っていた」と、
検査結果から立てられた仮説を裏付けるコメントが出たりしました。
心理検査は、検査結果のみから全てを語ることはできず、検査結果から仮説を立て、
それを裏付ける他の検査結果やクライエントの言動があった際に採用する、
ということを繰り返す必要があります。
また今回、検査場面が結果に影響を及ぼしている可能性が高いのでは、という指摘がありました。
受検者が遅刻をしていたり、検査を受けるまでの過程だったりが、受検者の受検態度に影響していると
考え、それを考慮したうえで、数値を見る必要があるのでは、という話し合いにもなりました。
また、絵画配列では、クライエントがどのように誤答したのかを実際に並べ替えてみて
「このように考えたのではないか」と意見を出し合ったり、「ここってどんな問題でしたっけ?」と
問題文を確認したりしながら進めました。
2回目ということで、少しずつ質問がしやすい雰囲気になってきているように思います。
次回は、少し先の11月3日。WAIS-ⅢとWISC-Ⅳの事例を予定しています。